AdobeRGBの写真、グラフィックの出力

 AdobeRGBなど広色域の写真、グラフィックのデータも適正な方法で出力します。

AdobeRGBで仕上げたデータは色を保って出力した方が望ましい場合が多い

 AdobeRGBで写真を撮影したり、RAW現像ソフトからAdobeRGBで写真のデータを書き出し、写真をAdobeRGBのデータとして仕上げるケースは多いでしょう。
 写真以外のグラフィックのデータも、AdobeRGBの色域で仕上げるケースは多いでしょう。

 AdobeRGBで仕上げたデータは、AdobeRGBの色域をできるだけ維持して出力することで、データが持っている色をプリントで再現できます。

一旦sRGBに変換するとどうなるか

 例えば、せっかくAdobeRGBでデータを仕上げたとしても、もし出力前に一度sRGBに変換するような処理を行った場合、一般的なコンパクトカメラでsRGBで撮影した写真をプリントした時と同じ色域の出力結果にしかなりません。

 sRGBに変換後にいくら色再現域の広いプリンターで出力してもプリンターの色再現域はあまり活かせません。

発色が良くない用紙であっても元データの色を維持して出力することは意味がある

 写真用の光沢紙を使った時にAdobeRGBに近い程度の色再現域があるプリンターでも、発色の良くない用紙を使った場合は色再現域は狭くなります。
 しかし、たとえ写真向けの光沢紙より色再現域の狭い用紙に出力する場合でも、色再現域の範囲は色合いによっても異なり複雑なので、一旦sRGBの色域に変換してしまってから出力するより、AdobeRGBの色域を維持した状態から出力した方が高い品質の出力ができる可能性が高いです。
 印刷業界でオフセット印刷用のCMYK画像を作成するとき、sRGBで作業せずにAdobeRGBでデータを仕上げてからJapanColor2011CoatedなどのCMYKプロファイルへ変換することと同じような理由です。

データの色を最大限維持して出力します

 写真やグラフィックのデータを、データの色のまま開きます。
 RGBかCMYKか、sRGBかAdobeRGBかそれ以外のRGB色空間のデータか、JapanColor2001Coatedかその他の印刷条件を前提としたデータか、によりません。いずれの場合でも、データが示す色を維持して、またはデータが意図している色で開きます。

 データを開いたら、データが示す色をプリンターの色再現域へ変換して出力します。この変換は出力を行う技能者の手動ではなくプリンターメーカーが用意しているプリンタードライバーソフト内で行われます。

 不要な色変換を行わない、また無駄に狭い色域に一旦プロファイル変換するようなことをせず、出来る限りデータの持つ色を保って出力します。

データの色を正確に再現してプリントします

プリンタードライバーに色管理を任せるようなことはせず、ICCプロファイルを利用した手動の色管理で正確にプリントします

 業務用のインクジェットプリンターでも家庭用プリンターと同じようにプリンタードライバーに色管理を任せて印刷する方法が使えますが、この方法は初級者でも出力が可能な反面、正確でシビアな色管理はできません。

 当方ではICCプロファイルを使用した手動の色管理を行い、ICC準拠のカラーマネジメントシステムの仕組みに従って正確な色でプリンター出力を行ないます。

不適切なデータの扱いは行ないませんのでご安心ください

 AdobeRGBなど広色域の写真やグラフィックのデータを受け取り、その後一旦sRGBに変換した場合、sRGBの色域のデータになってしまうので広色域でデータを作った意味がなくなってしまいます。

 AdobeRGBなど広色域のRGB色空間の写真やグラフィックのデータを受け取り、その後強制的にsRGB色空間でデータを開いた場合、データの色が変わってしまい、完全に失敗した出力結果になってしまいます。

 CMYKのデータを受け取り、意図している印刷条件を示すCMYK色空間以外の色空間でデータを扱って出力した場合、意図したものと異なる失敗した出力結果になってしまいます。

 CMYKのデータを受け取り、意図している印刷条件を示すCMYK色空間で扱ったとしても、一旦sRGBに変換するような処理を行なった場合、オフセット印刷および使用するインクジェットプリンターでは再現可能な色であってもsRGBの色域外の色は強制的にsRGB内の色に変換されてしまい、無駄に色を捨てる結果になってしまいます。

 当サービスでは技能者が全手動でデータを適切に扱い、最も色域を狭めずに済む手順で出力を行います。