正しくプリンター出力しているにも関わらず、写真の出力結果がモニターで表示した写真より明る過ぎたり暗過ぎたりするという事例はよくあります。
プリンター出力結果がモニター表示と大きく異なる明るさになってしまう原因でよくある例をご紹介します。
正確に色管理してプリンター出力するときに明るさが大きく変化することはあまりない
ICCプロファイルを使用したカラーマネジメントシステムの仕組みに則って出力するとしたら、写真のデータを正しく開き、あらかじめ正確に作ってあるプリンタープロファイルを使用して淡々と出力することになります。通常は出力担当者が明るさを操作したりはしません。
すべての設定を秩序立てて行なえば、あとは気を使うのは紙の反りでプリントヘッドが紙に接触するのを避けるなど、どちらかというとアナログな部分です。
プリンタードライバーで調整を加えてしまう場合は明るさも変わる
家庭用プリンターで自分で印刷するようなケースではICCプロファイルを使用したカラーマネジメントシステムを利用するのが困難なため、プリンタードライバーの自動色補正に任せたり、プリンタードライバーの色調補正機能を使用して出力時に色や明るさに調整を加える場合は多いでしょう。
プリンタードライバーの色調補正機能を使って出力時に明るさを変える調整を加えれば、当然ながら出力結果の明るさは変わります。
以下ではICCプロファイルを使用した一般的なカラーマネジメントシステムを利用し、プリンター出力作業自体は正確に行えている前提で述べます。
原因の多くはモニターキャリブレーションの問題
プリンター出力作業自体は正確に行なっているにも関わらずプリンター出力結果とモニター表示の明るさが大きく異なるなら、モニターキャリブレーションの方法が原因の場合が多いです。
モニターキャリブレーション作業において、モニターの輝度をどのくらいにするかはキャリブレーションを行なう人の自由です。
一応、モニター輝度の基準のようなものがいくつか存在しますが、それぞれ用途や条件があった上での基準であるため、単純に何らかの基準の数値でキャリブレーションを行なうと実際の作業に適した明るさとはかけ離れた輝度になってしまいます。
例えばモニターキャリブレーションツールやカラーマネジメントモニターでモニターの輝度目標のプリセットに160cd/m2という値があったとして、そのまま160cd/m2に調整してしまうと、多くの場合モニターが明る過ぎて、絶妙な明るさに写真を調整したつもりでプリンター出力を行なうととてつもなく暗い写真が出力されてしまう可能性が高いです。
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